和菓子の基本を大切にしながら、洋菓子の発想や技術も柔軟に取り入れる。
「菓匠あさだ」では、素材の可能性を起点にしたお菓子づくりを続けています。伝統と遊び心が交わる現場には、想像以上の面白さがあります。
◎“和”の素材から“洋”の風味?「ハイブリッドどら焼き」
まず「どら焼き」(天下みかさ)は、当社の中でも特別なお菓子で、お客様からも「味が違う」「柔らかさが違う」「風味が違う」と、大変好評をいただいている看板商品です。国民的アニメの影響もあり、どら焼きは今や世界的に知られる存在ですが、一方で「このどら焼きを、もっと若い世代に楽しんでもらいたい」という思いもありました。
その中で誕生したのが、「焚き黒糖を使ったどら焼き」(金色黒虎)です。黒糖を使った皮に黒糖入りのカスタードクリームをはさむことで、メープルシロップのような風味を生み出すことに成功しました。昔からある和菓子でも、組み合わせや発想次第で、まだまだ表現の幅があると私たちは考えています。だからこそ、これからも改良を重ねていきたいお菓子のひとつでもあります。
◎和菓子に息づく、洋菓子の技術「いちご餅」
「いちご大福」は、和菓子の中でも人気の高い商品ですが、お店によっていろんな個性があります。私たちの「いちご餅」の特徴はまず、お餅が柔らかいこと。口に入れた瞬間のやわらかな食感は、美味しさを左右する大事な要素です。あんこづくりには洋菓子で用いられる製法を取り入れることで、一度食べていただくと分かるとおもうのですが、パサつかず、軽さのあるあんこに仕上げています。
そうすると食べたときに、まずいちごの果汁が立ち上がるんです。その直後にあんこの甘みがきて、最後にお餅の柔らかさが残る。このバランスをどう作るかで、いちご大福の印象は大きく変わります。シンプルだからこそ、考え方と手のかけ方で別物になってしまう点はシビアですが、そこが和菓子の奥深さでもあります。
◎素材に境界線はない!「チョコレート」の可能性
「菓匠あさだ」のお菓子は、店内の厨房または自社工場で、基本的に材料からすべて手作りしています。あんこを炊くのはもちろん、以前はもち米も契約農家で栽培したものを使用していました。和菓子屋ですが最近はチョコレートも、インドネシアから豆を仕入れて自社製造しています。
チョコレートは和・洋のジャンルを問わず、とても汎用性が高い素材です。コンチング(練り上げの工程)の時間によって口当たりや味わいが変わるので、いろんな活かし方ができますし、その可能性に目を向けるとやりたいことがどんどん出てきますね。今は高校生のみなさんとコラボレーションした「チョコ大福どら焼き」も店頭に並んでいます。
チョコレートは和・洋のジャンルを問わず、とても汎用性が高い素材です。コンチング(練り上げの工程)の時間によって口当たりや味わいが変わるので、いろんな活かし方ができますし、その可能性に目を向けるとやりたいことがどんどん出てきますね。今は高校生のみなさんとコラボレーションした「チョコ大福どら焼き」も店頭に並んでいます。
昔は、ここまでが和菓子、という線引きがはっきりしていて、「バターやフルーツを使ったら和菓子じゃない」と、言われた時代もありました。その中でも、私たちが大切にしてきたのは、「素材そのものに和も洋もない。この素材とこの素材を合わせたらどんなお菓子になるか」という発想です。そこから、数々の面白いお菓子が生まれてきたと思っています。これからもさまざまな工夫とアイデアで、和菓子のポテンシャルと美味しさを、多くの方に伝えていきます。その未来を一緒に創ってくださる方との出会いを楽しみにしています。
